『スタッフエンジニア マネジメントを超えるリーダーシップ』を読んだので感想を書く。
読み初めの動機
本書を読み始めた動機は、スタッフエンジニアと呼ばれる上級エンジニアの思考や習慣を知り、自分の仕事に活かしたいと考えたからだ。今までのキャリアを振り返ると、テックリードやシニアエンジニアといったエンジニアには出会ったことがあるものの、より上級のエンジニアとなるとそうそうない。書籍からそうした人々の思想に触れられるのは貴重だと感じた。
ハイライトと感想
スタッフエンジニアへのインタビューが豊富に掲載されているのが良かった。具体性に富んでおり、仕事の向き合い方に活かせる点が多かった。
ハイライトはこちら。
- スタッフエンジニアにおけるタイプにはテックリード、アーキテクト、ソルバー、右腕の4タイプがある
- リーダーシップとは現状と理想のギャップを把握し、その解決に取り組める資質のことである
- スタッフエンジニアは技術力に加え、ソフトスキルの重要度が上がる
まず、今後のキャリアとして、テックリードやアーキテクトに面白みを感じた。プロダクト開発が好きでエンジニアに転身してきて、3年経った現在も楽しさが日々増している。なので、今後もプロダクト開発に近いところでやっていきたいと思う。
次に、リーダーシップについてだが、意外と現状でも発揮できているシーンはいくつか想起できた。返りなどのスクラムイベントにおいて、現状の課題を共有し打ち手を提案するような場面などである。
このリーダーシップをより強く発揮するには何ができるかを現在の業務に落とし込んで考察した。
- 現状を知る: 監視や分析系のツールへの習熟度を上げて、現状をより定量的に理解できるようにする
- 理想を知る: 社内外からのインプットを増やす。特に書籍を通じてアーキテクチャ・デザインパターンを学ぶことに重きを置く。
- 現状と理想を埋めるための行動: 振り返りなど、課題感を共有する場を大切にし、日々感じる技術・組織課題を(できれば解決策も込み)で共有する
最後に、ソフトスキルについては、自分がエンジニアになり一番強化してきたスキルかもしれない。というのも、自分はハードスキル、つまり個別具体の技術スキル1本で戦うのには向いていないと認識している。技術自体は好きではあるが、その技術を寝食も忘れるくらい大好きな人には、時間やモチベーションでは勝てっこない。しかし、ソフトスキルではどの組織でも重要なことではあるものの、エンジニアでソフトスキルをを意識的に学んでいる人は少なく、意外とブルーオーシャンに感じているからだ。
書籍の改善して欲しい点
非常に良い内容ではあったのだが、難点としてはKindle版において、本文中の注釈へのリンクがついておらず注釈の確認が大変だった。 この点が改善されると、読みやすさが大幅に上がると思う。
最後に
『スタッフエンジニア』は自身のエンジニア経験によって刺さるポイントは異なるだろうから、読んだ人と意見交換をしてみたい。
今はソフトスキルの強化のためにコンサルタント向けの書籍を読んでいる。こちらも良い内容なので読み終えたら感想を書きたいと思っている。