Yuki Watanabe's Blog

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エンジニアリングと子育てについて

『Web APIテスト技法』を読んだ

『Web APIテスト技法』を読んだので感想を書く。

読み初めの動機

本書を読み始めた動機はいくつかある。

  • Web API(マイクロサービスのバックエンド)の開発に携わっているため業務に活かせそうな点が多い
  • ソフトウェア開発の中で特にテスト領域に関心があり、中長期のキャリアでSETのキャリアに興味がある

私はテストの分野に強く興味を持っている。開発する際は大半のケースでテスト駆動開発を採用しているし、業務ではテスト基盤の改善を行い、記事を書いたりもしている。

engineering.mercari.com

最近、Software Engineer in Test(SET)というキャリアがあることを知りひっそりと興味を持っている。職務としては、

  • テストの自動化
  • CI/CDの構築
  • テスト基盤の整備

など幅広いようだ。

中長期でのキャリアのためにテスト分野に関するインプットをしておきたいと考えて、本書を手に取った。

感想

『Web APIテスト技法』は自分にとって良い書籍であった。

狭義のテスト技法ではなく、Web APIに必要とされるあらゆるテストをカバーしている。

  • テストを上流からと捉え、テスト戦略の立案に多くのページが割かれている
  • 広範なツールの紹介とその扱い方についても触れている

一番強く印象に残った一節はこちら。

品質とは、ある大切な人にとってのある時点での価値のことである。

テストとは品質を担保するための手段であるため、その品質とはなにか?という点から問う必要があることを知れた。 引用にある通り品質とは評価者に依存するため、ユーザー理解がとても必要であるということとも言える。

ユーザー理解まで範疇を広げると、もはやプロダクトマネジメントの領域にも近くなってくるし、テストに関わる領域は幅広くて面白いなと感じた。


翻訳者は「長尾 高弘」さんという方。訳書にありがちな違和感が全く無くて読みやすかった。

ちなみに、長尾さんは非常に多くの訳書を手掛けられている。 私はこの方の書籍を何冊も読んだことがあり、良かった書籍を紹介しておく。

  • 『Effective Ruby
  • リファクタリング:Rubyエディション』
  • 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』
  • 『CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド』
  • 『モブプログラミング・ベストプラクティス ソフトウェアの品質と生産性をチームで高める』

今後

Web APIのテストには広範な知識が必要であることを認識できた。 本書ではセキュリティテストやパフォーマンステストについても触れられていたが、特にパフォーマンステストは知見が少ない分野であり強化していきたいと考えている。