私は前職で経理業務を6年ほど担っており、その特殊性から「なぜエンジニアに転職したのか」について聞かれる事が多いです。 転職を決断したのが、2018年12月、実際に転職したのが2019年11月と数年が経っているため、忘れないうちに記事にします。
前職での経理部員時代
前職は地元のガス会社であり、新卒・総合職として入社しました。
配属は経理部で、そこから経理部員としてのキャリアがスタートします(大学時代に企業会計に興味が湧き、簿記2級を取得していたことが配属の決め手だったようです)。
業務内容は一言で表現すると決算業務でした。 仕訳から始まり財務諸表の作成や固定資産税等の税金の申告・納付、有価証券報告書の作成まで幅広く携わらせていただきました。
プログラミング学習のきっかけ
私がプログラミングを始めたきっかけは、経理業務の傍らで進めた業務の半自動化です。
会計システムの1つの機能であるCSV連携に着目し、請求書や領収書の情報を会計システムに手入力していた作業をCSV連携機能を使用して、部署そして社内全体に導入しました。
CSV連携は、取引情報を記載したCSVをシステムにインポートすると会計システムへの入力が出来る機能ですが、社内では利用されていませんでした。経理経験の浅い私でも、「短期的にCSV作成コストは高まるが、長期的にはCSVを使い回すことが出来るので会計システムへの入力負荷を激減できる」と感じたため、まずは部内への導入を進めることにしました。
結果として、会計伝票の入力業務を半自動化することができ、社の業務負荷を減らすことができました。
私はこの経験から、ITによる業務効率化に可能性を見出しました。 この「効率化するための取り組みはとても楽しい」、「自分の肌にあっているな」とも感じました。
そこで、もう少しITについて詳しくなりたいと考え基本情報技術者を取得し、その後、プログラミングを始めます。
エンジニア転職の理由
エンジニアへ転職した理由は、エンジニアとして働くことに多くの魅力があると感じたためです。
- アプリケーション開発はユーザーからのフィードバックを直に得られ、仕事の成果が見えやすい
- プロジェクトベースで、常に新しいことに取り組めるため、モチベーションを維持しやすい
- 市場の伸びと共に需要が高まりそうなため、スキルがあれば失職リスクが低い
当時の経理業務はルーティン業務が9割程度を占めていることから、知的好奇心が満たされない状態が数年続いていたため、エンジニアリングはとても魅力に感じました。
依然として、経理部内には紙や押印が前提となった業務フローが多く存在しており、これらの業務を改善したいという思いはあるものの、一人の経理部員として大きな成果を出すには力不足でした。
それならば、ソフトウェアエンジニアに転身し、バックオフィスの業務経験を元にソフトウェアを通じてこれらの課題を解決するほうが自分の適正に合っていると感じました。
最後に
転職をする決断は、自分の人生で一番大きな決断でした。 前職で勤めていたガス会社は地元では多少名の通る会社だったため、親や妻は前職で私がガス会社に勤めることに安心を覚えていました。そのため、雇用が流動的なIT業界で、しかも年収が100万円以上が下がるエンジニアに転職をしたいという相談をしたときは反対の意見が多数でした。
また、前職の同僚はほとんど転職しない環境で(平均勤続年数は16年程度)、転職後のキャリアについての情報が身の回りに少なく、非常に迷い葛藤したことを覚えています。
現在は、エンジニアとして働き始めて2年以上経ちます。 初めの1年はとにかく大変で楽しさよりも辛さの方が大きかったですが、今ではエンジニアとして楽しく過ごせています。 引き続き、楽しみつつエンジニア力を上げるべく精進していきます。